信州、安曇野、穂高、天然温泉、くつろげる、静かな宿、スローライフ、おもてなし 、楽しい旅を



楽しい旅でぼんやり








*25周年のご挨拶*

さて、そろそろ皆様ともお別れです。最後に「人はなぜ旅をするのか」を考えてみました。

「良い宿」という言葉がありますが、それは目的によって違います。旅には2つあって、ビジネスやイベント・体験ツアーへの参加など場所・時間・目的地がはっきりしているツーリズム・Tourismと、プロセスを楽しみ自由に遊ぶ旅、トラベル・Travelがあります。

ツーリズムのときは小さな宿ではなく、チェックイン・アウトの時間や着替えなどに融通のきくホテルなどのほうが快適で良い宿ですが、トラベルのときは、どうしても泊まりたい宿があれば、旅のプランはそこから始まりますし、訪れたい場所があれば、他のことは少々妥協しなければなりません。風光明媚な美しい自然は、交通の不便なところに点在していて、宿からはアクセスに比較的時間がかかることもあります。いろいろ悩むのも楽しみのひとつでしょう。

最近は旅関連のサイトも増えて、宿選びも便利になった半面、関係者の投稿問題も含め、宿に関する投稿情報が氾濫しすぎている面もあります。
プロセスを楽しみ自由に遊ぶ旅、トラベルに関しては、個々の感性や性格が影響する主観が左右するため、数値の評価には疑問が残ります。人の好みは千差万別であるうえ、宿だけでなく、すべての仕事は多くの人々の支えで営まれ、それについて単純に数的評価をすることはいかがなものでしょう。

情報が多いのは良い面もありますが、自分で考えず、すべて人任せでは、判断力や感性を磨く機会を逸します。出発から到着まで至れり尽くせりの究極のツーリズムである観光ツアー旅行は。世話なしで賑やかに過ごせる楽しさもありますが、ある脳科学者によると、ツアー旅行というのは脳にとって、お茶の間でテレビをぼんやりみているのと、ほぼ変わらない程度の刺激しかないそうです。

どこへ行くか、何を食べるか、どんな宿に泊まるかなど自分で計画を立てるだけでも、その楽しさで脳は活性化します。

もちろん失敗もあるでしょうが、不便や失敗、アクシデントが予想外の出会いや喜びを生んだり、後になって良い思い出になることも多いのです。ツアーは一見お得なようでも、人が旅から得られる価値という意味では、あまりお得ではないかもしれません。

「便利」という言葉の甘い響きに誘われて、能力を退化させてしまわないように、時にはテレビや携帯電話、パソコンを離れて、五感を自然に委ね、自分に本来備わっている体力や素晴らしい感性を磨くことを思い出してみてください。
景色の良いくつろげる場所で目を閉じて深呼吸すると、私達のさえずりや風の音、木のざわめきが心の耳に届き、季節の香りが記憶に刻まれ、耳を閉じれば、美しい風景が心の瞳に留まります。

自然と息づかいをともにすれば普段はみえないものが見え、自然にも優しくなり、野生の生き物にもたくさん出会えて素晴らしいひとときを過ごせるかもしれません。そして、新らしい視点が広がり、忘れていた大切なものをみつけ、他人や自分にもっと優しく素直な気持ちになれるのではないでしょうか。

テクノロジーの発達した現代、人の価値は優しさ・情熱や創造・想像力など、機械にはない部分でこそ、はかられます。心豊かな旅とは「画一的に与えられる喜び」ではなく「他人と異なる自分だけが見いだす喜び」を体感する自分らしい個性的な旅で、その喜びは自分を再生し、創造力を高め、新たな可能性を開くでしょう。

人は、いつの間にかどこかへ置き忘れてしまった自分や、新しい自分に出会うために旅にでるのかもしれません。

他人の評価・意見や流れに沿うだけのツーリズムの旅か、感性を磨き、プロセスを楽しみ、心を自由に遊ばせるトラベルの旅か、選ぶのは皆様御自身です。巡り来る四季が、ひときわ鮮やかで美しい詩情に満ちた安曇野は、トラベルの旅を求める方にとって、際立って素晴らしい地であると思います。

ノーサイドは、皆様が豊かな時の旅人となり、素晴らしい自分に出会う心の旅をお手伝いできる良い宿でありたいと願っています。



このページの写真は、齋藤 明さんの日本刺繍の作品です。




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